真鍮(黄銅)とは?Cu-Zn合金の特徴メモ
この記事の位置づけ
この記事は、初学者向けの材料メモです。詳細な特性値・設計判断はJIS規格・材料メーカーのデータシートを確認してください。
ざっくり言うと
真鍮(黄銅)は、銅(Cu)と亜鉛(Zn)を混ぜた合金です。英語では Brass(ブラス)と呼ばれます。
金色に近い美しい外観と、切削加工のしやすさが特徴で、部品・装飾品・楽器など幅広い場面で使われています。
主なポイント
- 銅(Cu)+亜鉛(Zn)の合金
- 切削性が非常に良い(特に快削黄銅C3604)
- 電気伝導性・熱伝導性が高い
- 耐食性はそこそこ(ただし特定の環境では注意が必要)
- 溶接はアルミよりは難しいが、銅よりは比較的できる
- 磁性はない
よく使われる真鍮の種類
| JIS記号 | 通称 | 特徴 |
|---|---|---|
| C2600 | 七三黄銅 | Cu70%・Zn30%。延性が高い。板・管・棒 |
| C2801 | 六四黄銅 | Cu60%・Zn40%。強度と加工性のバランス |
| C3604 | 快削黄銅 | 鉛入り。切削性が非常に高い。精密部品向け |
| C3602 | 快削黄銅棒 | C3604に近い。棒材で広く使われる |
切削部品ではC3604がよく使われます。
基本特性の目安(C3604)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 密度 | 約8.5 g/cm³ |
| 引張強さ | 約370〜510 MPa |
| 硬度 | 約HB 80〜120 |
| 電気伝導率 | 銅の約25〜30% |
※ 上記は参考値です。正確な値はメーカーのデータシート・JIS H 3250などを確認してください。
よく使われる場面
- 水道・ガス用バルブ・継手
- 時計・カメラ・楽器(トランペット・トロンボーン)
- コネクタ・端子・精密部品
- ドアノブ・インテリア金物
- 電気部品(端子、スイッチ)
注意点
応力腐食割れに注意: 黄銅は引張応力とアンモニアなどの腐食環境が重なると「応力腐食割れ」が発生することがあります。アンモニアを含む環境(農業・化学プラントなど)では注意が必要です。
脱亜鉛腐食: 湿気や海水環境では亜鉛が溶け出す「脱亜鉛腐食」が起きることがあります。耐食性が必要な場合は材質・表面処理を確認してください。
鉛含有(C3604): 快削黄銅C3604には鉛が含まれています。飲料水が接触する用途では規制に注意が必要です(RoHS指令など)。
重い: 鉄鋼に近い密度(約8.5 g/cm³)があり、アルミと比較すると重いです。軽量化が必要な場合はアルミへの材料変更も検討します。