硬度とは?HRC・HBの読み方の入口
この記事の位置づけ
この記事は、初学者向けの技術メモです。材料選定・熱処理条件・硬度測定の判断はJIS規格・材料メーカー資料・設計資料を確認してください。
ざっくり言うと
材料の「硬さ」を数値で表したものが硬度です。
「HRC 60」「HB 200」のような形で表記されます。数値が大きいほど硬い材料ということになります。
「HRC」「HB」「HV」など複数の種類があり、それぞれ測定方法が異なります。
主なポイント
- 硬度は材料の硬さを数値で表した指標
- 測定方法によってHRC・HB・HVなど種類が異なる
- 数値が大きいほど硬い
- 硬いほど耐摩耗性は高まる傾向があるが、脆くなりやすい
- 鋼材は熱処理で硬度を変えることができる
主な硬度の種類
HRC(ロックウェル硬さ・Cスケール)
ダイヤモンド製の圧子を材料に押し付けたときのくぼみ深さから硬度を求める方法です。
比較的硬い材料(焼き入れ鋼・工具鋼・ステンレスなど)によく使われます。
目安:
| HRC | ざっくりした状態の目安 |
|---|---|
| 20〜30 | 焼きなまし状態や軟鋼の範囲 |
| 40〜50 | 一般的な焼き入れ鋼の範囲 |
| 58〜65 | 工具鋼・高速度鋼の焼き入れ後 |
| 65以上 | 超硬工具・セラミックなど |
※ 上記はざっくりした入口の目安です。実際の材料選定は規格・メーカー資料を確認してください。
HB(ブリネル硬さ)
鋼球を材料に押し込み、できたくぼみの面積から硬度を求める方法です。
比較的軟らかい材料(鋳鉄・アルミ合金・非焼き入れ鋼など)に使われることが多いです。
HV(ビッカース硬さ)
ダイヤモンド製の正四角錐の圧子を押し込み、くぼみの面積から求める方法です。
薄い材料・表面処理層・小さい部位など、幅広い硬さ範囲をカバーできます。
なぜ種類が複数あるのか
材料の硬さの範囲や用途によって適した測定方法が異なるためです。
HRCは硬い材料向き、HBは軟らかい材料向き、HVは薄い材料や小物向きといった使い分けがあります。図面や仕様書に指定されている硬度の種類を確認して使うのが基本です。
熱処理と硬度の関係の入口
鋼材は焼き入れという熱処理で硬度を上げることができます。
逆に焼きなましや焼き戻しで硬度を下げて加工しやすくしたり、靭性(粘り)を持たせたりすることもできます。
加工する前と後で硬度が変わることがあるため、図面で指定された硬度がどの工程で達成されるものかも確認が必要です。
注意点
硬度が高いほど強い・良い、というわけではありません。
硬すぎる材料は衝撃に弱く、割れやすくなる傾向があります。用途・荷重・衝撃の有無に合わせた硬度を選定することが重要です。
また、硬度は材料の特性の一部であり、引張強さ・靭性・耐食性などと合わせて選定します。