A7075とは?超々ジュラルミンの特徴メモ
この記事の位置づけ
この記事は、初学者向けの材料メモです。詳細な特性値・設計判断はJIS規格・材料メーカーのデータシートを確認してください。
ざっくり言うと
A7075は、アルミ合金の中でもトップクラスの強度を持つ7000系合金の代表格です。
「超々ジュラルミン」とも呼ばれ、強度重視で重量を抑えたい場面でよく選ばれます。
主なポイント
- 7000系アルミ合金の代表格
- アルミ合金の中で最高クラスの強度
- 主な添加元素はZn(亜鉛)・Mg(マグネシウム)・Cu(銅)
- 航空宇宙・スポーツ用品・産業機械などに使われる
- 耐食性はA5052より劣る(表面処理が必要な場合が多い)
- 溶接は困難(原則溶接しない前提で設計する)
A7075の基本特性の目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 密度 | 約2.8 g/cm³ |
| 引張強さ | 約500〜570 MPa(調質による) |
| 0.2%耐力 | 約430〜500 MPa(調質による) |
| 硬度 | 約HB 150前後(調質による) |
※ 上記は参考値です。正確な値はメーカーのデータシート・JIS H 4000などを確認してください。
調質記号の読み方の入口
A7075はそのままでは使わず、熱処理(調質)によって強度を出します。
| 記号 | 内容 |
|---|---|
| T6 | 溶体化処理後、人工時効処理。最も一般的 |
| T651 | T6に加えて残留応力除去のための引張矯正を実施 |
| T73 | T6より強度は下がるが、応力腐食割れへの耐性が向上 |
「A7075-T6」「A7075-T651」のような形でよく記載されます。
よく使われる場面
- 航空機の構造部品、スキン材
- スポーツ用品(自転車フレーム、ゴルフシャフト、釣り竿)
- 工作機械・産業機械の軽量化部品
- 軍事・防衛分野
A7075と他アルミ合金の比較の入口
| 材料 | 強度 | 耐食性 | 溶接性 | 加工性 | コスト |
|---|---|---|---|---|---|
| A1050 | 低 | 高 | 良 | 良 | 低 |
| A5052 | 中 | 高 | 良 | 良 | 中 |
| A6061 | 中〜高 | 中 | 可 | 良 | 中 |
| A2024(超ジュラルミン) | 高 | 低 | 困難 | 良 | 高 |
| A7075(超々ジュラルミン) | 最高クラス | 低 | 困難 | やや難 | 高 |
注意点
溶接は原則しない: A7075は溶接性が非常に悪く、溶接後に強度が大きく低下します。設計段階から溶接しない前提で考えることが重要です。
耐食性が低い: 表面処理(アルマイト処理など)をしないと腐食しやすいです。
価格が高い: 一般構造用のA5052やA6061より大幅に高価です。強度が本当に必要かどうかを確認してから選定します。
応力腐食割れ: 引張応力と腐食環境が重なると割れが発生するリスクがあります(T6材は特に注意)。