公差とは?図面で見る±やIT公差の読み方の入口
この記事の位置づけ
この記事は、初学者向けの技術メモです。公差の設計・品質管理・測定方法は、JIS規格・設計資料・職場のルールを確認してください。
ざっくり言うと
図面に「50 ±0.1」や「φ20 H7」のような表記が出てきます。
これは**公差(tolerance)**と呼ばれる「どのくらいのズレまで許容するか」の範囲を示したものです。
「50 ±0.1」なら、49.9mm〜50.1mmの範囲に収まっていれば合格、という読み方の入口になります。
主なポイント
- 公差は「許容できるサイズのズレの範囲」
- ±(プラスマイナス)表記は上下対称の範囲を示す
- IT公差(H7、h6など)は穴・軸の嵌め合いに使われる表記
- 公差が小さいほど精密だが、加工難易度・コストが上がる
- 図面の公差は設計者の意図を表しているため、無断で変えてはいけない
±表記の読み方
50 ±0.1
- 基準寸法:50mm
- 上の許容差:+0.1mm
- 下の許容差:-0.1mm
- 許容範囲:49.9mm 〜 50.1mm
上下が対称でない場合は次のような書き方になります。
50 +0.05 / -0.02
この場合、許容範囲は 49.98mm 〜 50.05mm です。
IT公差(嵌め合い公差)の入口
穴と軸を組み合わせる(嵌める)部品には、「H7」「h6」「k5」のような表記が使われます。
アルファベットの意味の入口
- 大文字(A〜Z):穴の公差域クラスを表す
- 小文字(a〜z):軸の公差域クラスを表す
- 数字(IT等級):公差の大きさの等級を表す(数字が小さいほど公差が狭く精密)
よく出てくる組み合わせの例:
| 表記 | 嵌め合いの種類 | ざっくりした特徴 |
|---|---|---|
| H7/h6 | すきま嵌め | 動かせる程度のわずかなすきまがある |
| H7/k6 | 中間嵌め | 打ち込みまたは手で押し込む程度 |
| H7/p6 | しまり嵌め | 圧入が必要な締まり具合 |
※ 上記は概念の入口です。実際の嵌め合い選定はJIS規格・設計要件を確認してください。
一般公差について
図面上で個別に公差が指定されていない寸法には、「一般公差」が適用されることがあります。
JIS B 0405(長さ寸法の一般公差)などで等級が定義されており、図面に「JIS B 0405-m」などと記載されている場合があります。
実際の適用は、職場・図面の仕様・取引先の規定を確認してください。
注意点
公差の設定を変えることは、製品の品質・嵌め合い・強度に影響する可能性があります。現場判断で公差外の加工を通してしまわないよう、判断が必要な場合は設計・品質担当者に確認する流れが基本です。