送り速度(F)とは?切削条件でよく見る数値の読み方
この記事の位置づけ
この記事は、初学者向けの技術メモです。切削条件は工具・材料・機械・加工形態によって大きく変わります。
実際の加工では、工具メーカーの推奨条件表・カタログ・加工実績を必ず確認してください。
ざっくり言うと
切削加工の条件を調べると「F200」「送り速度 300mm/min」のような数値が出てきます。
これは**送り速度(Feed Rate)**のことで、工具(またはテーブル)が材料に対してどのくらいの速さで進むかを表した値です。単位は「mm/min(ミリメートル毎分)」が一般的です。
「Fが高い=工具が速く進んでいる=加工が速い」と理解するのが入口になります。
主なポイント
- 送り速度(F)は工具の進む速さ。単位はmm/min
- 主軸回転数・刃数・1刃当たりの送り量(fz)から計算できる
- Fが大きいほど加工は速いが、工具への負担・切削抵抗も増える
- 材料・工具・切り込み量とのバランスが重要
送り速度の計算式
工具メーカーのカタログには「1刃当たりの送り量(fz:mm/tooth)」が記載されています。
これに刃数と回転数をかけることで送り速度(F)を計算できます。
F(mm/min)= fz(mm/tooth)× 刃数(z)× n(rpm)
例:2枚刃エンドミル、n=3000rpm、fz=0.03mm/toothの場合
F = 0.03 × 2 × 3000 = 180 mm/min
※ 計算式の確認や実際の条件設定は、工具メーカーのカタログ・推奨条件を参照してください。
NCプログラムでの表記
NCプログラム(Gコード)では、送り速度は「F」のアドレスで指定します。
G01 X100.0 F200
この場合、200mm/minの速さでX方向に100mm移動します。
位置決め(G00)では送り速度Fは無視され、機械の最大速度で動きます。
周速(Vc)・回転数(n)・送り速度(F)の全体像
切削条件の3つの要素は連動しています。
Vc(周速) → n(回転数) → F(送り速度)
まずVcと工具径からnを決め、次にfzと刃数からFを計算する、という流れが一般的です。
注意点
送り速度を上げすぎると切削抵抗が増え、工具の欠損・ビビり・加工精度の低下につながることがあります。
また、切り込み量(ap・ae)を大きくした場合は送り速度を下げるなど、条件のバランスを調整する必要があります。
工具カタログの推奨条件はあくまで参考値であり、実際の加工環境(機械剛性・クランプ・クーラント)によって適切な条件は変わります。